
結論:LINEのリッチメニューは便利な入口ですが、項目が多すぎると使われません。目的別に削る設計を考えます。
LINE公式アカウントのリッチメニューは、とても便利な入口です。予約、問い合わせ、料金、アクセス、よくある質問、キャンペーン、プロフィール、オンラインショップ。いろいろ置けるからこそ、つい全部並べたくなります。
けれど、リッチメニューは「たくさん置ける場所」ではなく、「迷わず押してもらう場所」だと思います。項目が多いほど親切に見えることもありますが、利用者からすると、何を押せばよいのか分からなくなることがあります。
リッチメニューは、便利な入口に見えて、設計を間違えると迷路になります。 大事なのは、情報量を増やすことではなく、利用者が次に取りたい行動へ自然に進めることです。
予約、料金、アクセス、相談、FAQを全部並べる前に、利用者が最初に押したいものを三つに絞ります。
リッチメニューは小さなトップページ
リッチメニューは、LINE内にある小さなトップページのようなものです。メッセージを読んだあと、利用者が次にどこへ行くかを決める場所です。だから、デザインの見た目だけでなく、導線の優先順位がとても大切になります。
たとえば美容室なら、利用者が一番押したいのは予約かもしれません。クリニックなら、診療時間、アクセス、予約、よくある質問が重要になるかもしれません。士業や相談業なら、初回相談、料金目安、相談の流れが必要かもしれません。業種によって正解は変わります。
つまり、リッチメニューを作る前に考えたいのは、「何を載せたいか」ではなく、「利用者がどの場面で開くか」です。初めて登録した人なのか。予約前の人なのか。来店直前の人なのか。利用後に再度相談したい人なのか。ここが曖昧だと、項目が増えやすくなります。
項目が多いほど、使われにくくなることがある
リッチメニューでよくある失敗は、すべての導線を同じ重さで並べてしまうことです。予約、料金、アクセス、キャンペーン、ブログ、Instagram、採用情報、会社概要。どれも大切かもしれませんが、利用者が一度に判断できる量には限りがあります。
特にスマートフォンの画面では、文字が小さくなったり、ボタンの違いが分かりにくくなったりします。デザインが整っていても、選択肢が多いだけで迷いは増えます。これは、サービスページや問い合わせフォームにも共通する話です。
私は、最初のリッチメニューは三つから六つまでに抑えるのが現実的だと思います。予約や問い合わせにつながる主導線を一つ、利用者の不安を減らす補助導線を一つ、繰り返し使われる実用導線を一つ。このくらいから始めると、目的がぶれにくいです。
載せるか迷ったら「今押す理由」があるかを見る
リッチメニューに項目を載せるか迷った時は、「利用者が今それを押す理由があるか」を考えます。たとえば、アクセスは来店前には必要ですが、オンライン相談だけのサービスでは優先度が下がるかもしれません。ブログは役立つ情報ですが、予約を急いでいる人には遠回りになることもあります。
逆に、料金目安や相談の流れは、問い合わせ前の不安を下げる導線として役立つことがあります。利用者が「自分でも相談してよいのか」「いくらくらいかかるのか」と迷っているなら、予約ボタンだけを置くより、料金や流れへの入口がある方が親切です。
項目を削ることは、不親切ではありません。今必要なものを選びやすくするための配慮です。
言葉は短く、役割ははっきりさせる
リッチメニューでは、ボタンの文言も大切です。「詳細はこちら」「サービス案内」だけでは、押した先で何が分かるのか少し曖昧です。「料金を見る」「予約する」「相談の流れ」「アクセス」「よくある質問」のように、行動や得られる情報が分かる言葉にした方が、利用者は迷いにくくなります。
同じ意味の言葉を並べないことも大切です。「お問い合わせ」と「無料相談」と「ご相談はこちら」が同時にあると、どれを押せばよいのか分かりにくくなります。目的が同じなら一つにまとめる。違うなら、違いが伝わる言葉にする。ここを丁寧に見るだけで、使いやすさはかなり変わります。
デザインは目立たせる場所を決める
見た目のデザインでは、すべてのボタンを同じように目立たせない方がよいと思います。最も押してほしい導線は大きく、または中央に置く。補助的な情報は少し控えめにする。色や線、文字の大きさにも役割を持たせる。これは、近接、整列、反復、コントラストの考え方にもつながります。
たとえば、予約を最優先にしたいなら、予約ボタンだけ色を変える。料金やFAQは同じグループとして並べる。SNSやブログへの導線は下段にまとめる。こうすると、利用者は視線の流れに沿って判断しやすくなります。
業種別に考える優先順位
リッチメニューは、業種によって優先順位が変わります。店舗型サービスなら、予約、アクセス、営業時間が強い導線になります。来店直前に開く人が多いなら、地図や駐車場案内も重要です。オンライン相談が中心なら、相談予約、料金目安、相談の流れが優先されます。
情報発信を重視するサービスなら、最新記事や無料資料への導線も役立ちます。ただし、その場合でも、問い合わせや予約の入口を埋もれさせないことが大切です。読んで終わる導線ばかりになると、行動につながりにくくなります。
ECや物販なら、商品一覧、人気商品、問い合わせ、配送や返品の案内が候補になります。どの業種でも共通するのは、運営側が見せたいものではなく、利用者が今困っていることから並べるという視点です。
作った後は、押されていない場所を見る
リッチメニューは、作って終わりではありません。公開後は、どのボタンが押されているか、どの導線から問い合わせが来ているかを見ます。押されていない項目があるなら、文言が分かりにくいのか、位置が弱いのか、そもそも利用者にとって優先度が低いのかを考えます。
一度で完璧に作る必要はありません。むしろ、最初は小さく始めて、反応を見ながら入れ替える方が現実的です。季節性のあるキャンペーンや、一時的なお知らせは、常設メニューではなく配信や一時的なリンクで補う方法もあります。
大切なのは、何となく置き続けないことです。使われていないボタンにも、画面の面積というコストがあります。その場所を、本当に使われる導線に譲るだけで、メニュー全体は分かりやすくなります。
今日から見直す三つのこと
1. 優先行動:利用者に最初に押してほしいものを一つ決める
2. 不安解消:料金、流れ、FAQなど、相談前の迷いを減らす入口を置く
3. 削る項目:今押す理由が弱いものは、別ページや配信で補う
リッチメニューは、情報を詰め込むほど良くなるものではないと思います。むしろ、利用者の状況を想像して、押す理由のあるものだけを残す方が使われます。削る勇気は、情報を減らすためではなく、相手が迷わず動ける入口を作るために必要なのだと感じます。
参考リソース
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