『English Grammar in Use』に学ぶ、TOEIC学習を土台から強くする英文法 のアイキャッチ画像

結論:『English Grammar in Use』を TOEIC 学習で生かすなら、文法を「正解テクニック」ではなく「文の構造を正確に読む道具」として使うことです。Part 5 の正答率だけでなく、Part 7 や実務メールの理解まで安定しやすくなります。

レイモンド・マーフィーの『English Grammar in Use』は、英語学習者に長く選ばれてきた定番教材です。理由は、難しい理論を並べるのではなく、基本文法を「実際に読める形」へ落としてくれるからです。

TOEIC 学習では、問題の解き方や頻出パターンに意識が寄りやすいです。もちろん試験対策として必要ですが、それだけでは伸びが止まりやすい人もいます。文の骨組みが見えないままだと、長文やリスニングで情報を取り違えやすいからです。

この記事では、『English Grammar in Use』を TOEIC の得点アップだけで終わらせず、仕事で使える英語の土台に変える読み方をまとめます。英語対応、海外ツールの利用、英文メールの確認といった実務にもつなげやすい形で見ていきます。

TOEIC学習が伸び悩む理由は「文の骨組み」が曖昧なままだから

TOEIC の Part 5 は、空所の前後だけを見て解ける問題もあります。ただ、その感覚だけで進めると、Part 6 や Part 7 で急に苦しくなります。長くなるほど、主語と動詞、修飾のまとまり、時制の流れを取れないと意味がぶれやすいからです。

たとえば、前置詞句や関係詞節をうまく切れないと、誰が何をしたのかが曖昧になります。TOEIC では致命的ではない小さな取り違えでも、実務メールでは納期や依頼内容の誤解につながります。点数のためにも、仕事のためにも、文法は土台です。

文法は「暗記項目」ではなく「意味を取る道具」である

『English Grammar in Use』の良さは、文法用語を覚えることより、「この形になると意味がどう変わるか」を学びやすい点にあります。現在完了なら、過去の出来事が今にどうつながるのか。助動詞なら、断定なのか推量なのか。受け身なら、誰が行為者として省かれているのか。そこまで見えると、英文が急に読みやすくなります。

文法を問題集の答え合わせだけで終えると、「分かったつもり」になりがちです。意味の違いまで意識して読むと、英文メールの確認、海外サービスのヘルプページ、仕様書の理解でも効いてきます。TOEIC のための文法と、仕事のための文法は本来分かれていません。

Part 5 の学びを Part 6・Part 7 に広げる

文法の学びを TOEIC に生かすなら、Part 5 だけで閉じないことが大切です。1問ずつ正解するだけではなく、その文法項目が長文のどこで効くかを見る。これだけで学習効率が変わります。

たとえば、関係代名詞を学んだら、Part 7 の長文で「どこまでが名詞を説明しているか」を探す。時制を学んだら、通知メールや社内案内文で「すでに完了したこと」と「これから起きること」を見分ける。文法の知識が読む力へ変わる瞬間を増やすと、学習がつながり始めます。

1ユニットを実力に変える使い方

教材を最初から最後まで一気に終わらせようとすると、続きにくくなります。おすすめは、1ユニットごとに「理解する」「音読する」「置き換える」の3段階で回すことです。

  • まず例文を読み、何がどう違うのかを理解する。
  • 次に短い例文を3回から5回音読して、語順に慣れる。
  • 最後に自分の仕事や生活に近い英文へ1本だけ置き換える。

この最後の一歩が大切です。たとえば、納期連絡、日程調整、問い合わせ返信、進捗報告のような文に変えると、文法知識が「使える形」で残りやすくなります。

例文を仕事の英語へ置き換えると定着しやすい

TOEIC の点数は上がったのに、英文メールになると自信が持てない人は少なくありません。原因の一つは、学んだ文法が自分の文脈とつながっていないことです。

たとえば現在完了なら、「I have completed the draft.」のように進捗報告へつなげる。助動詞なら、「Could you confirm the schedule?」のように依頼文へつなげる。比較表現なら、料金やプランの説明文へつなげる。こうして自分が実際に使いそうな英語へ置き換えると、学習と実務が結びつきます。

やりがちな遠回りもある

文法学習で遠回りになりやすいのは、細かい例外だけを追いかけること、1回で完璧に覚えようとすること、問題数だけで安心することです。『English Grammar in Use』は、そうした詰め込みより、基本を何度も正しく使う方が効果が出やすい教材です。

TOEIC でも実務でも、まず効くのは頻出の基礎です。時制、助動詞、前置詞、比較、受け身、関係詞。このあたりが安定すると、読む速さも誤読の少なさも変わります。背伸びした教材を増やす前に、基礎文法を使える形に戻す方が結果的に近道です。

小さな事業や実務にどうつながるか

英語学習は資格のためだけではありません。海外のサービスを調べる、英語のツールを導入する、外国語の問い合わせに対応する、翻訳を確認する。こうした場面では、派手な表現力より、まず正確に読む力が効きます。

H- creative solutions のように、英語対応を業務の一部として扱う場面でも、土台になるのは文の構造を取る力です。文法が安定すると、確認にかかる時間が減り、相手への返答も落ち着いてできます。信頼を落とさない英語対応は、結局こうした基礎の上に乗ります。

今日からできる3つの実践

1. 1日1ユニットを「理解・音読・置き換え」で回す
問題を解くだけで終わらせず、最後に自分の仕事や日常に近い英文へ1本だけ変えます。

2. Part 5 の復習を Part 7 に持ち込む
解いた文法項目が長文のどこで効くかを探すだけで、読む力と点数がつながりやすくなります。

3. よく使う英文を3本ストックする
納期連絡、確認依頼、進捗報告など、自分が使う場面に合わせて短い英文を作ると実務に転びやすくなります。

よくある疑問

TOEIC なら、まず問題集を回した方が早くないですか?

短期的には点が伸びることもありますが、文の構造が曖昧なままだと長文とリスニングで頭打ちになりやすいです。基礎文法を読み取れる状態にしておく方が、結果的に安定します。

英語が苦手でも English Grammar in Use は使えますか?

使えます。全部を一気に終える必要はありません。頻出の単元から始めて、短い例文を読み、音読し、自分の文へ置き換えるだけでも十分効果があります。

実務英語につながっているかは、どう判断すればいいですか?

英文メールや仕様書を読んだ時に、主語と動詞、時制、修飾のまとまりを前より早く取れるかで見ます。読む時の迷いが減っていれば、実務に近づいています。

『English Grammar in Use』の価値は、派手な裏技ではなく、英文を落ち着いて読める基礎を作ることにあります。点数だけを追うより、意味が取れる状態を増やす方が、TOEIC でも実務でも長く効きます。

学習は、読むだけでは変わりません。理解した文法を、音読し、長文で見つけ、自分の英文へ置き換える。そこまでやると、英文法は試験用の知識ではなく、仕事の土台になります。

参考リソース

関連記事

著者プロフィールを見る

このシリーズでは、世界的なビジネス書・仕事術・資産形成・英語学習の名著を入口に、個人事業や小さな事業に使える実務知として読み解いていきます。